2012年12月26日水曜日

魔法の薬


なんで会社を大きくしたいんですか?

なんでそんなに急ぐんですか?

ってよく聞かれます。

なんでだろ。

だってお店が増えれば増えるほど辛くなるんだ。

プライベートなんてなくなるし。

でも僕はその問いかけに対して答えを持っています。

こんなイメージ。

例えば君が癌の特効薬を持っていたとします。

どんな末期癌でもシュッと治ってしまうし、

癌じゃない人にも将来絶対予防の効果をもたらす魔法の薬だ。

その注射、誰に打ちますか?

夫、妻、兄弟、両親?

恋人、友達、同僚?

そりゃ打ちますよね。みんな幸せになります。

で、次に。

君がその薬を無限に持ってたらどうします?

渋谷のスクランブルで知らない人全員に声をかけますか?

たぶん僕らはそうするでしょう。

僕は世界中の人にそれをギフトして廻りたい。

僕らは家具をデザインして作って販売していますけど、

その一つ一つが誰かを幸せにしていると信じています。

癌の特効薬に比べると、その程度は全然見劣りするかもしれません。

でも、そう願って毎日仕事をしています。

だから、あまねくこの世のすべての人たちに僕らの家具を使ってもらいたい。

だからお店を増やす。

生きているうちにその効果を見てみたい。

だから急ぐ。

これが僕らの答えです。

会社を大きくする事に抵抗があるって経営者の方もいますけど、

それって自分の持っているギフトに自信がないからじゃないかな。

あるいは、

自信を持とうと日々研鑽する勇気を放棄しているだけなんじゃないかな。

なんて生意気なことを思ったりします。

あ、あと。

さっき見劣りするって言いましたけど、

僕らはそれを良しとしているわけではありません。

今は所詮、そうかもしれないけど、

毎日毎日その程度を上げるために格闘しています。

己を知れって、

とある下山思想の方に言われたこともあります。

その道は終わりのない倍々ゲームだぞって。

言葉もないです。そのとおりだから。

でもね、僕らはそれでいい。

キリマンジャロの頂近くに横たわって死んだ豹のように、

それでもその目は閉じられず頂上を見つめていた彼のように、

最後までこの山を登っていきたいと思っています。



















2012年12月7日金曜日

願い叶ってもまだ満たされないのは「生きてる」って証なんだろう


通勤ラッシュがいやだった。

小銭を数えて毎月暮らすのが嫌だった。

っていうのもあったけど、

自分の仕事能力がフルに発揮できていないのが我慢ならなかった。

心の奥に渦巻いてるデザインを形にしたかった。

そして、十分にそれができると自分自身の才能を信じてもいた。

だから10年前、故郷茅ヶ崎で独立をした。

いずれ青山に自分の店を作る。

この夢は一生かかっても実現すると固く決心をした。

ところが、

たった2年でその夢は叶ってしまった。

大事な仲間たちの奮闘。応援してくれたメーカー。

僕らの作品を認めてくれたお客様のおかげで。

いや、一番の成功要因は幸運か。

数々の偶然。

目白押しの幸運ラッシュに何度も助けられた。

いずれにせよ、

一生の夢が叶った後。

僕は目標を見失って途方に暮れた。

それでも会社は俄然大きくなっていく。

大義名分としての「次の目標」は何度も掲げた。

そして、それをクリアしても来た。

店舗数は14を越え、セカンドブランドは有名百貨店に軒を連ねている。

当時からしたら信じられない。そんなこと想像すらできなかった。

でも裏腹に、気持ちはどんどん迷い道に入り込んで行く。

一生の夢、叶いし後。

それでも生きて呼吸をしている自分。

それはひどく辛いことだ。

でも最近、

ついに僕はようやく一つの大きな夢を持つことができた。

単なる「次の目標」ではない。紛うことなき「次の夢」。

もう僕の夢ですらない。みんなの夢だ。

それを見つけて消化して同化させるまで8年もかかったよ。

でもこの8年で獲得したものは、

きっと新しい夢の豊かな土壌になってくれるんだろう。

特に・・・

僕らの作品を使ってくれているお客様へ。

僕らは大資本のインテリアショップとは違います。

いつも迷って、立ち止まって、

それでも前に一歩でも進もうともがいている者たちです。

だけど、だからこそ日本人が誰も行き着けなかった地点まで、

このブランドを育てることができるような気がするんです。

僕らはもっと先まで、もっと遠くまで行きますから。

どうぞ見守っていてください。




















2012年11月8日木曜日

未来の人脈作り


社会人になってけっこう経つのに、いつまでも学生の仲間うちで集まって飲んでる子たちがいます。

そういう飲みは、大抵仕事の話にならず、昔の懐かしい話や今その場所にいない仲間内の噂話に終始します。

僕は知っています。それを冷ややかに観察しつつ、夜ごと、まったく違う人脈作りに精を出している、彼らの同世代がいることを。

彼らは薄々分かっています。

その積み重ねが後に大きな差になるって。

「そんな時間があるなら、できれば社外の異業種、少なくとも社内異部署の人間と飲め。同窓会なんて10年に一回で充分だ。そう言う所にはカスしか集まってないぞ」

僕は20代の頃、当時日刊ゲンダイの編集長だった父にそう言われて、

「うっせー」

と言い返した事があります。

でも、それははっきり言って事実です。

この年になって本気で確信しています。

若い頃の仕事は激務ですよね。残った僅かな自由時間だもん、そりゃ、何したって勝手です。

でも、一生仕事をしていくなら、20代にしかできない未来の人脈作りを、今からしようよ。




なーんて言ってみた。

おじさんだね。

おじさんだけど。




あ、ちなみに、そういうコミュ作りは待ってたって駄目ですよ?

自分から積極的に誘いましょう。

がんばれ、若者たち!!!














2012年9月20日木曜日

POLIS新色の噂


ブルーグレーやグリーングレーが好きです。

いや…色の話。

POLISの白シリーズにこの二色を追加してみようかな…。

2012年9月18日火曜日

アパレル界のカリスマ

以前、ユナイテッドアローズの重松さんと生LIVEで対談した時の話。


話す内容の順番を事前に合わせておく

いわばお約束のネタ合わせがあって、

割と細かく打合せをして、本番に臨んだんだけど、

僕は密かに台本にはない問いかけを用意していた。




そして、対談が終わりかけの時、



「U.A.は以前、家具の販売を試みていましたが、最近トーンダウンしているように思います。

ライフスタイルショップを追求していく以上、アパレルとインテリアはどこかで融合をしなければいけないと思うのですが、

僕が知る限り、BEAMSにしてもBAY.にしても確かにうまく行っていないような気がします。

それでも、今後この2業界の融合を推進する意義があるとお考えでしょうか?」



と投げかけてみた。

ゲリラ・クエスチョンだ。

少しは慌てるかな?


しかし・・・。

重松さんは僕をチラッと見たあと、よどみなく、簡潔に

こう言った。



「みんなで続けましょう」



(自分たちが)続けるでもなく、続けたいでもなく、

みんなで続けましょう・・・。

僕たちインテリアショップ側も包み込む、高らかな宣言だった。

それを聞いて、

ああ、この人は利己的に動いていないんだな。

大きいな。

そう思って感動した覚えがあります。








2012年9月4日火曜日

未来のテーブル

天板がモニターになるテーブルを開発中!売れる売れないじゃなくて…。

未来をね、作りたいんだよ。

2012年7月31日火曜日

恋と愛の違い


あなたは一体、私に何をしてくれるのだろう。

あなたに一体、私は何をしてあげられるのだろう。

そんなわずかな違い。

「あなた」が「恋人」でも「会社」でも同じこと。

恋にとどまらず、恐れることなく、

我欲を犠牲の祭壇に差し出せる者のみが、

愛を得、

その者にのみ、

幸いは降る。

2012年7月26日木曜日

Oldies day



波もないのに、

一人で海に浮いてる。

江ノ島もえぼし岩も水平線も何もかわんないなって思う。

目まぐるしく変わっているのは自分を取り巻く状況だけか。

風景は変わらない。

シリトーが言うように、

実は近くから見れば変化しているのかな。

そんなことをぼんやりと考えている。



夕方、俺たちの街に突然雨が降る。

でも、みんな知ってる。

すぐに上がるよな、この雨は。



PM4:00

冷やした白ワインとビールとギターを持って海辺のBARに集まる。

上半身裸の男たち。

やわらかい素材のワンピースを着た女たち。



野田さー浮いてんよ。

お前、東京の匂いがする。

うるせーっ。

Jack Johnsonがブチって切れて、

誰かが、BEACH BOYSを流す。

一瞬、場が静まる。

若い女の子たちがキョトンとした顔をする。



雨が上がる。松林の向こうが夕焼けに染まる。

なー。表、出ていい?

芝生の庭に椅子を持ち出して、深呼吸をする。

国道134が乾いていく匂い。

茅ケ崎の匂い。

懐かしくて、頭がクラクラする。

ずっとここにいたいなって思う。




いれないけどね。




あいかわらず流れているBEACH BOYS。

「Do you love me?
Do you surfer girl ?」



Oldies day。

そんな感じの休日。











2012年7月12日木曜日

目減りする幸せ

限界効用逓減の法則って知ってますか?

マクロ経済学で習う三次曲線で、供給量を表す公式なんだけど、高等数学のクセに、いやに哲学的なんです。

例えば、

砂漠で死ぬ寸前の人がいたとします。

み、水をくれ…。ってやつです。

で、その人にコップ一杯のお水をあげた時の幸せ度を100とします。

二杯めは?90くらいかな。

三杯めは、70。次は40…。

50杯めは?

うぷっ、もー飲めません。…−20。

幸せは一定基準を越えると、

幸せどころか不幸になるって話です。

いずれにせよ、自分の身丈に見合った一杯の水を、

欲張らずに、

誰かと大事に飲むのが、きっと本当の幸せなんでしょうね。












2012年7月7日土曜日

僕は母国のために仕事をする、そしていつか・・・。


母国のために仕事をする・・・。

それは、

愛する仲間のため、

好きな子のため、

守るべき家族のため、

僕を育てた故郷、茅ケ崎のため、

僕を必要としている家具業界のため、

自分の未来と夢のため、

それらを、

まるっと全部含んでいる。

だから僕はこの国のために仕事をする。

そして・・・。

まだ、その資格はないけど、

いつか、

アジアのために、

この世界のために、

仕事をしているって、

胸を張って言えるように、

なりたい。

2012年6月18日月曜日

ミュウ一族とSNS

昔、「地球へ」という漫画がありました。

非常に良くできたプロットを持つ古典マンガです。

地球から追放されたミュータントが故郷である地球に帰ろうとするんですが、

超能力を持っている彼らを恐れる人間やコンピューターがそれを阻止します。


その中に、興味深いセンテンスがありまして、

ミュウ(ミュータント)の一族はテレパシーを持っているので、

誰か一人が学んだ知識を、一瞬にして全員で共有できるんです。

はっきり言ってそんな集団は最強です。


で、何が言いたいかというと、

現在のSNSってそれに非常に近いんじゃないかなって思うんです。

FacebookとかLineなんてそのまんまですよね。



って

今、なにげなく思っただけなんですけどね。

動物に癒される。


















ポリスには動物タイトルの雑貨がたくさんあります。

特にこのクッションはすごく人気があります。

ビビットな色使いがキレイなフジヨシクッション。

プレゼントにもいいですよ!!

2012年6月2日土曜日

野田のデザイン(変な手順とデザインソース)



AREAとPOLISのデザインは基本的に僕のデザイン(+アレンジャー生田)です。

なぜ、東海大学経済学部経済学科の僕がデザインをしているかというと・・・、

自分でも謎です。

最初の自分デザインは、建材メーカーに居た頃、26才位でしょうか?

確か、ドアだったと思います。一晩中、ノートに書いていた気がします。

その後家具業界に入って特注の家具を書いている内に、

その情熱がすごい事になっていくわけです。




家具や建具のイロハは歴史・哲学から製作、機械学まで、

みっちり勉強していますので、

例えばノリでシェーカーと北欧を足して2で割っちゃった・・的なモノは嫌いです。

あえてそれをする哲学があればいいんですけど。

はっきり言って、思いつきの素人デザインは、好きじゃないです。



ところで、

実は、空間であっても、家具単体であっても、

僕のデザインは製作過程において、変な手順があります。


順を追って話すと、

1  まず以前見た映画や読んだ小説を複数思い起こします。

2  その複数の空気感(ストーリーではなく)を脳内でMIXします。

3  そして、そのイメージをベースに軽い小説(粗筋)を書きます。

4  で、その小説のワンシーンに出てくる家具(空間)を連想して、

デザインを書いていきます。


変なの・・・。

って自分でも思います。手間かかりますので・・・。


「グラマラスオペラ」とか「退廃のカジノ」とか「廃墟の教会」とか、

特に僕の空間作品にタイトルが付いているのは一度小説になっているからです。

でも、ある意味このMDを先に作ってしまうと、作品がディテールまでぶれません。



ちなみに、

デザインソースの登場で多いのは、

「2001年宇宙の旅」 (最後の白い部屋)

「エルトポ」 (高校生の時以来、重いトラウマです)

「気狂いピエロ」 (100回くらい見てますね)

「ダウンバイロー」 (トムウェイツの歌声も含めたイメージ)

「アンダーグラウンド」 (大道具的天使と炎&車いすグルグル)

小説で言えば

「限りなく透明に近いブルー」 村上龍

「羊をめぐる冒険」 村上春樹

「百年の孤独」 ガルシア・マルケス

「長距離ランナーの孤独」 アラン・シリトー

「薔薇の名前」 ウンベルト・エーコ

などです。


























2012年5月27日日曜日

仲間募集


CROWNでは、AREA、POLISのショップスタッフを募集しています。

アルバイトでも、正社員でも。経験ありでも、なしでも大丈夫。



そこの君。

履歴書待ってるよ!!

応募の宛先

〒107-0061
東京都港区北青山2-10-28 1F
株式会社CROWN 採用担当宛


















2012年5月19日土曜日

登り下り登る


僕は中目黒から青山のお店まで自転車で通っています。

そんなに長い距離ではないように思われますが、

実は、代官山を登り、渋谷に下り、青山を登るという割りと過酷な道のりだったりするんです。

2012年5月18日金曜日

プライドを取り戻せ!!


CROWNの会社理念は

「愛ある居場所作り」

と、

「日本のインテリア偏差値を上げる」

というものですが、

実は、それ以外に、

社員だけが知っている裏理念が存在します。

それが、

「プライドを取り戻せ!!」


です。



例えば、

「将来の夢は宇宙飛行士です」

誰もが無邪気に答えることのできた幼少時代。

世界は間違いなく自分のものでした。

ところが、

小学校、中学校、高校、大学を過ごしていく中で、

自分の限界を少しずつ感じて行きます。

社会人になり、ほんの少し残ったプライドも削られた時、

大抵の人は、

「人生なんてこんなものさ」

と思います。

「私は私であればいいんだ」

「普通が一番」

って・・・。

社会人は誰しも、第二思春期を20代後半で迎えます。

妥協の結婚、挫折の転職。

30代の序盤までそれが続き、

それが終わる頃には、すっかり・・・、

優しい目をしたか弱い社会人が出来上がります。



ところが、そんな大多数の中、

「違う。こんなの俺じゃない」

って呟く人がいて、

そんな彼らは、

失ったモノを取り戻す戦いを始めます。

周囲の反対の中、

たった一人で、

怒り狂った嵐の海に小舟を出し、

過酷な冒険に人生の舵を向けます。

その人はかなりの確率で転覆死するでしょう。

でも、その瞬間、

彼はきっと幼い頃に宇宙に向けた、

あの目を、

取り戻しているのでしょう。



そんな人間達が一つの船に集まった。

僕らCROWNはそんな集団です。

まるで梁山泊です。

みんなそれぞれの理想を追いかけて、

格好悪く足掻いている人間ばかりです。

「プライドを取り戻せ」

そして、

「世界は俺たちのモノだ」

心の奥からそう叫べる日が来るまで、

または、

息絶えるまで、

僕らは戦い続けるのでしょう。


ところで・・・、

これを読んでくれている皆様へ。

「そこは本当にお前の居場所か?」






2012年5月10日木曜日

凍りついて死んでいる豹


ヘミングウェイの作品に「キリマンジャロの雪」という小説があります。

標高6000Mを超える山の頂きに凍りついて死んでいる豹。

彼はそこで一体何をしていたのだろうか?というお話ですが・・。

僕は、その豹の暗喩に、昔からすごく心惹かれます。



もう少し、もう少しって登るうちに、

極寒と酸素の薄い中で自慢の敏捷性も無くなり、

最後はノロノロになって倒れる。

倒れても、微かに動いている足は、未だ高みを望む意思に従っています。



死ぬまで上を見て、死んでも目を見開いて頂を睨んでいるそのイメージは、

僕の教科書そのものです。















2012年5月6日日曜日

できれば村上春樹訳で・・・。




某日、
at AREA Tokyo.

空間&家具デザインについて、とある紳士(お客様)とヒアリング。


「好きな街はニューヨーク」
「デザイン・・・やっぱりアールデコかなぁ」
「日常と非日常の境目」
「ずっと海外のホテル暮らしだったから」

静かに話す語り口・・・。


「分かりました・・・・と言いますか、決まりました」

と僕。

空間のテーマは『長いお別れ』です

聞いてる途中から、彼がフィリップマーロウにしか見えなかった。

まだアメリカが金融に走る前。
黄金の50年代。
ニューヨークの街に立ち上る白い蒸気。
マホガニーのデスク。
シガー&ギムレット
ハットを被った男たち。

あのイメージをAREAで家具に落としたらどうなるんだろう。

やってみたい!!!

レイモンドチャンドラー的空間を。

というわけで、

今夜は、仕事(空間)目線で、

1973年の名画をじっくり観察する予定です。

プレゼンは来週。

こうご期待です。














2012年5月5日土曜日

POLIS (ポリス) について2





野田
「シンプルで一生使える白い家具ってなかなか見かけませんよね。
フレンチの白家具は甘~くなり過ぎて人を選ぶし、
白ポリで作った家具はキッチンみたいで安っぽいし」


木工職人(工房長)
「そうですね」


野田
「だから作りたいんです。これがデザイン図と設計図です!! 」

「イメージは・・・・」

エメラルドグリーンの地中海からギリシアの街並みを望んだ時に、深い白の建物が並ぶ姿。キュービックだけど、どこかイスラムの影響を受けた芳醇なシルエット。ミケランジェロの大理石のように、肌の下が透けるような深み。ずっとそこにいて、1000年以上の長い時間をかけて、少しづつ朽ちていく教会・・」(ペラペラ)

「・・・って感じです」


木工職人(工房長)
「はあ・・・・・???」



そんな会話から出来たPOLISのサイドボード。

木目がわずかに透ける、上品で深みのある白になり過ぎない白。

イスラムのアーチを連想させる脚や天板の欠き込み。

それでいて、

キューブ感を損なわないシンプルなシルエット。


工房長へ

ありがとうございます。完璧です。

実際使っているお客様から、

「大満足」のメールをいただきますよ !!!

ちなみに・・・

最近あんまり顔を出せなくて、すみません。














2012年4月30日月曜日

スーパーのカゴに偶然入り込んだ何か(MUSE)



SOFAにしても、チェアにしても、空間にしても、

デザインをする時に共通していつも思い出すことがあります。

小沢健二のファーストアルバムの解説文なんですけど、

「スーパーのカゴに偶然入り込んだ何か」という話です。

つまり(相当昔のことで、ディテールは忘れましたが)、


『誰かが何かの料理をしようと食材を買っている。

決められたレシピに従っていろいろ買いそろえる。

家で料理して食べる。美味しくできた。満足。

でも、違う日に同じ料理を同じレシピ通りに作っても、

前回の味と違う。今日はあんまり美味しくない。

どうして?

・・・・・なぜなら、その日のスーパーのカゴには、

目に見えない何かが、ふと、偶然入り込んだからだ』


というものです。

素材や作りの知識、工業機械の知識、

職人の腕前の事前確認、デザインの歴史や系譜、

マーケットの動向、自己思想、販売員のレベル、

資本の投資と回収の相関係数・・・。

数え上げたらきりがないくらい、

(例えば椅子一脚作るのに) 沢山のレシピが必要です。

でも、そのカゴの中に(ごく稀に・・ですけど)、

「神様の一吹き」が入って、名作が生まれる時が、

確かにあるんです。

もっとも科学で突き詰めればその不思議は、

きっと解明出来るんでしょう。

僕は、経営者兼デザイナーです。

決して芸術家ではありません。

だから、本当は、

すべて理詰めで商品をデザインすべきなのでしょうが、

最後の「何か」を解明してしまおうとは、

やっぱり、思いません・・・というか、思えません。



だから、僕は今日も、

要素でパンパンになったスーパーのカゴを持って、

その何か(MUSE)を待っています。













2012年4月26日木曜日

なぜ家具業界は貧乏なのか?

家具業界は貧乏業界って言われます。

家具企業の総売上高は約2兆円。

家電業界が約40兆円。

どちらも、国民全員が持ってるモノを扱っている業界なのですが、

比較すると、確かに家具業界の売上高は少な過ぎる気がします。

この問題は複合的な理由によるものなので、極論は避けますが、

大きな理由の一つに「回転率の遅さ」が挙げられると思います。

一般的に商売の多寡は、


「粗利益×回転数」

とされています。

例えば、

冬物のジャケットやコートを2年に一度×一生買うとして、

日本人はSOFAを一生の内何回買い替えるでしょう。

2回?下手したら1回・・・。

これでは確かに業界が儲からないのは当たり前です。

業界が儲からないという事は、業界で働く人に利益を還元できず、

ゆえに意欲が失われ、優秀な人間は集まらず、進化が阻害され、

さらに業界が悪くなっていく。

もちろんお客様に対してより良いサービスを供給する事なんて出来っこありません。

「って言ったって、ソファを毎年買い替えてもらうことなんてできないよ。」

確かに。一般的に言えばそうですよね。

でも、そこで思考をストップしたら、この業界に進化はありませんよね。

僕らは、この問題点を起点に、SOL(ソル)というSOFAを開発しました。

本体は無理でもジャケット(替えカバー)を主役にして流行を作れば、

ユーザーさんが毎年買いに来てくれるかもしれない。

お客さんだって、何十年も同じソファを使うより、

毎年柄が変わったらきっと楽しいよね・・・って考え方です。

でも、本来これはメーカーの仕事ですよね。

問題点を大きな視野から捉え直して、抜本的にそれを解決する商品を作る。

日本の家具メーカーには、そういう発想ができる人が少ないような気がします。

それができないと日本の家具市場はすべて、S.P.A.のものになっちゃいますよ?

関連記事はこちら☞「家具業界でお金持ちになる方法と社員募集」 

sol 「teddy」

sol 「laguma」

sol 「soloaka」






2012年4月24日火曜日

POLIS(ポリス)について1




今から6年くらい前の雪の日の話。


こんな雪じゃお客さん家具買いに来ないよな~って思ってた時、

ふと思った。

ん?・・・・雪→白→家具・・白い家具ぅ??

そう言えば・・・。

白家具っていうと、フレンチ風のあま~い感じのデザインが多くて、

シンプルでいて高級感があるのってなかなか見かけないよな・・・。

そんなきっかけで産声を上げた(はしょってるな~)のが、

POLIS(ポリス)です。

当時僕は、I+STYLERS(アイスタイラーズ)

というブランドの社長を兼任していて、

AREA(エリア)とI+だけでもすごく忙しい時期だったんだけど、

ほぼ情熱だけで作り上げました。

僕らの会社にとっては、AREAに続く第二弾のブランドだったので、

失敗はできないぞって強く思ったのを今でも思い出します。

「ロックバンドって二枚目のアルバムが勝負っていうじゃん」

って言って、みんなで頭を突き合わせてデザインを練りました。

雑誌社の皆さんに集まっていただいたブランド立ち上げパーティでは、

「ウォールナットの次は白です。白が来ます!!」って・・。




あれから5年の月日が経って、現在。

その僕らの第二ブランドは、青山の直営ショップを筆頭に、

伊勢丹、小田急、西武などの百貨店やらショッピングモールを中心に

10店舗ほどに広がるまでに成長してくれています。

(夏までにあと2、3店舗増えそうです)。

まだウォールナット熱は強いですが、少しづつ白家具も

受け入れられてるってことなんだと思います。


















2012年4月23日月曜日

AREAについて その1

その昔。

ドアとか建具、フロアやキッチン、階段など、戸建て住宅で使う建材メーカーにいた僕は、

完成した家に家具が入ってくるたび、空間美が崩れるな~って思う事が良くありました。

家具も建材も同じ人間がデザインすればいいのに・・って。

その後、

そんな想いを持つ仲間で作ったAREAというブランドは、

実はそういう意味で、


インテリアショップじゃないんです

厳密に言うと・・・ですけど。

むしろ、スタッフの多くは、学校で建築を学んだ人間たちで構成されてます。

現場に引き戸を隙なく収められるのも、

壁面収納を施工できるのも、

建築の観点で家具を見ているからです。

オリジナル家具を扱うデザイン設計事務所。

これが、AREAの本当の姿です。

昔から家具屋さんがキッチン、壁面収納、住宅などに手を出して、

大やけどしてますけど、家具屋と建築は似ているようでまったく違う世界ですから、

失敗するのは当たり前なんです。

僕は建材業界から家具業界に転身した時、ぬるい世界だな~って思いました。

いまだに建材業界は爆裂ド根性論で成り立ってますから。

(もちろん、それが正しいと思っている訳ではないんですけど)

不動産もインテリア人が手を出して失敗する業界ですね。

不動産や建築を同時にやってる財閥系の企業は虎視眈々と家具業界を狙ってます。

彼らが本気を出したら、

中途半端なコンテンツしか持たない、中途半端に大きな家具屋は、

一気に持ってかれる可能性がありまね。


















2012年4月22日日曜日

沖縄の家具屋さん

びっくりした。沖縄にはたくさんの家具屋さんがあるんだね。それだけ需要があるんだろうか?今回訪れたのは、ヨナシロっていう、地元の一流家具屋さん。いろいろお世話になりました。いろいろな趣向で楽しいお店でした。

好きな街について


僕らは、AREA(エリア) とPOLIS(ポリス)というインテリアショップ
を東京、大阪を中心に十数店舗展開してますが、

最近よく、「お店の出店はどんな基準で選んでいるんですか?」
って聞かれます。

人口数とか民度とかそういうことを聞かれてるんだろうなって
分かるんだけど・・・。

答えは、


「好きな街に出してます」

です。

お店を出すというのは、その見知らぬ土地に「ご縁」を作るということ。
だからまず、僕らが最低限でも「好きな街」じゃないと
いろんな意味でその土地の人たちに失礼にあたると思うんですよね。