2013年6月25日火曜日

プロデュースというお仕事「リビング・エディション」誕生秘話(ってほどのことでもないけど) その1




西武渋谷店地下一階「LIVING EDITION」がスタートした。

今を時めく有名インテリアショップが渋谷西武に軒を連ねた、

日本インテリアの最先端ブースだ。





「ご当地駅弁フェアって百貨店さんは得意じゃないですか、

あれのインテリア版をやりましょうよ」

1年半前。渋谷店店長にそんな戯れ言を言ったのが事の始まりだった。

高橋店長は優しい方なので、「そうですねー」とか言ってくれはしたが、

内心ではどう思っていたかは知らない。きっと「は?」

って感じだったんだと思う(というか、後日談でそう言っていた)。

それでも店長はその突飛な案を憶えていてくれて、

「野田さん、例のアレ、やりましょうよ」

ってお声がけしていただいたのが、半年前だ。

最初の話から1年以上が経っていた。



某月某日
at  西武渋谷作戦会議室

「家具屋さんは全国各地にありますけど、基本的にメーカーさんの

仕入れものを売っているだけなので、ご当地駅弁フェアって感じにはなりません」

つまり、商品がかぶるわけです。フランスベッドとかカリモクとか。

ですから、ここはインテリアショップでまとめましょう」

初めてのプレゼンで鼻を膨らませながら、そう言ってみた。

「でも、日本全国の家具が集結っていうダイナミズムはなくなりますね」

確かに・・うーん。

迷った末に苦肉の提案。

「なら、MD変更です」

渋谷店の会議室。関係者一同、ざわり。

「ラーメン博物館にしましょう」

「ラーメン博物館・・ですか?」

「はい。」

「ラーメンって・・(苦笑)」

誰かがパタリと手帳を閉じた。

やばい。

「ゼロファーストデザイン、WISE・WISE、パシフィックファニチャーサービス、タイムアンドスタイル、ブランチ、エリア、ポリス、シボネ、カーフ。この辺りを集めます」

「ほう」

身を乗り出したのは、バイヤーのお偉いさんだ。

「ラー博は、その場に行けば、有名ラーメン店の味が手軽に楽しめます。

それのインテリア版です」

今言った辺りのカリスマ☆インテリアショップを集めれば、

一般の方はもちろん、プロのコーディネーターも垂涎の売り場になるだろう。

「インテリアショップガイドっていう雑誌があります。」

「インテリアショップを集めたガイドブックですね?」

「そうです。ラー博っていう表現がダメなら、

ショップガイドのリアル版フロアを作るという切り口ではいかがでしょう」

「ふーむ」

誰かが言った。

「ABCはどうしますか?」

アルフレックス、B&B、カッシーナのことだ。

「入れません」

ざわざわ・・。

「百貨店は長く、ABCに頼り過ぎです。マーケットはウンザリしています。

それとは別のコンテンツも、もうそろそろ持つべきではないでしょうか。

先ほど挙げたショップたちの多くは全国区と呼ぶには

確かにまだ無名の、言わばストリート系です。

でも、ある意味で言えば、既得権益を持たずに、

マーケットを味方にして有名になった。

アパレルで言うと出発期のビームスや

アローズ、ベイクルーズなどに似ている。

こういうルーキーを発掘して全国区に押し上げて、

未来の文化を作って行く。これが西武イズムなのでは

ないでしょうか」

アケリ。

さっきの人が手帳を開いた。

「一言で言えば西武渋谷店による、インテリアブランドの新規開拓です」

いいんじゃないか?

うむうむ。

肯定的な空気が流れ出した。






でも、実は僕は・・・。

それを言ってから激しく後悔をしていた。

なぜか?

唯我独尊&群れない権化のカリスマ社長のみなさんが、

易々&ホイホイ協力してくれるわけないじゃないかー。

そんな光景・・「全然×100」くらい想像が出来なかったからだ。


つづく
















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