2013年6月21日金曜日

間違いだらけと分かってても僕らは進んでいく。つまりそれは、怖れずに幸せになる切符を手にしている。



夏の手前。

窓を開けると遠くからピアノの音。

たどたどしい音色。

静かな朝6時。

雨が降っている。

水の季節。

街が水で保湿される。



服を着て外に出た。

ロータリー、古着屋、壁の落書き。

坂道の下に立つ。

雨の舗装道路。

右から左から新緑の枝葉。

無言で代官山の坂を登る。



場所。

人が入り、出て行く所。

僕らは今まで一体、

何人の人を迎え、

何人の人を見送ったろう。

俯瞰で見れば幸せだけど、

近視に見れば後悔ばかりだ。



西郷山の上から街を見渡す。

あいかわらず、

霧みたいな雨が世界を覆っている。

さっきのアルペッジョが耳の奥に残っている。



アルペッジョか・・・。

なるほど。

確かにそんな風にして、

僕らは、

今日も、

1音1音さらけ出されるように、

生きているね。



LINEのメッセージに

「どこに行くの?」

ってあったけど、

そんなの分からないよ。

僕らは遠くから来たし、

きっと、遠くまで行くんだろう。



ふと、

その角を曲がったら。

誰かが [終点] って書かれたプラカードを持っていて、

「お疲れさまです。終点ですよ」

って僕らを迎えてくれるその日まで。









































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