2015年3月26日木曜日

酒席でのビジネス作法


ある百貨店の上層部の方々と飲んでいる。大企業の上から数えて10本の指に入る人たちだ。

もうもうと煙がこめる表参道の安居酒屋。焼酎のロックは電気入ってるの?ってくらい舌がビリビリするし、野菜炒めなんて塩とバターの味しかしない。いや美味しいんだけど。美味しい?うーん・・。その昔、独立をなんとなく決意したのがこの店だった。だからかな、居心地よくて美味しく感じるのかもしれないな。まあどうでもいい話だね。

当社CROWNは、AREA(エリア)が主に三越、伊勢丹、西武、SOGO、小田急とお付き合いしていて、日頃大変お世話になっている。ちなみにSC(ショッピングセンター)はPOLIS(ポリス)の担当だ。

話は金融、円安株高、インテリアマーケットの世界トレンド、この春の人事から一年後のフロア改装まで雑々した感じで進む。ビジネスの飲みというのはお互いに用事があるからこそ開かれる。相手は伝えたいことがあるし、僕も伝えたいことがある。でもそれを最初から話したら、10分で宴は終わってしまう。大人の飲み会の呼吸というのはお互いがどこのタイミングでどんな話を挟んでくるかということに気を張ってなければならない。いやむしろそこが楽しいのだ。とっても日本的だね。

「あっそうそう、それに関係ある話なんだけどさ(微かに間があく)・・」

と来ると、あ、来たなと思う。
関係ある?・・ならあの件か。
予習していれば大抵見当がつくよね。

「・・・の件ですね?」
「そうなんだよ! どう思う?」
「(もともと考えていた妥協案)ですね」
「よし分かったそれなら話が早い・・じゃあこうしよう・・ところで話は変わるけどミラノでさ・・」

そして話がまた別のたわいのない方向へ逸れて行く。こういう楽しくもスリリングな応酬の瞬間が何回か訪れて、自然とリンゴが地に落ちるように宴が終わる。

お互い忙しいビジネスマンだもん、用事があるから飲むんだよ。でも何て言うのかな、おおっぴらにその話題を口にしない。そのへんがすごく日本的だと思うんだ。まあ、酔っぱらいながらウンウン悩みたくないしね。それをしたいなら会議室でやればいいんだよね。だからお互いに事前に成り行きを予測したシュミレーションをしておく。それが日本におけるビジネス上での飲みの作法なのだ。

ちなみにこの話の重要なポイント。それは、企業同士の最重要な話ってこんなシチュエーションで決まるケースが多いという事実だ。

不思議な話だね。