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2015年8月28日金曜日
日本の家具マーケットにおける北欧 vs イタリア
日本の富裕層が北欧家具を敬遠する傾向にあるのは確かだ。
特にその意識は椅子に対して顕著に現れる。
彼らはイタリアデザインの名作にはポンと大金を出すのに、北欧の名作には渋ってしまう。あんなに奥深くて完成された椅子を受け入れられないのはなぜだろう。一昔前なら日本人の審美眼がまだ欧米に追いついていないと言われるのだろうが、この時代においては、それは違うように思う。なぜなら、この現象は(日本ほど顕著ではないにせよ)世界各国共通だからである。ちなみにこの現象はアパレルでも同じだ。
富裕層以外の大衆はどうであろうか。
これは逆だ。
日本の一般市民は北欧デザインが大好きである。ところが、一脚20〜50万もする椅子なんて買えっこない。煩悶したあげく、結局北欧もどきの椅子に落ち着くのだ。ちなみに、本物であっても価格という観点で見れば、その範疇にYチェアも含まれる。
ここまでをまとめると、
日本の富裕層はイタリア家具が好き。
日本の一般大衆は北欧家具が好き。
となる。
さらに詳細分析をしてみよう。
椅子に興味のある購買層を富裕層について、OLD-Rich(従来からのお金持ち・資産型)とNEW-Rich(ここ最近のお金持ち・キャッシュ型)に分ける。一般大衆を学生、プロ(マニア)、一般と細分する。
すると、
「オールドリッチ」は北欧好き。
「ニューリッチ」はイタリア好き。
「学生」は北欧好き。
「プロ&マニア」は北欧好き。
「一般」は比較的北欧好き。
となる。
このように見ると、日本人の大半は北欧家具(北欧デザイン)が好きなのだと分かる。
しかし・・・。
(もちろん例外はあるが傾向から言って)この中で実際の購買者はニューリッチだけである。基本的にオールドリッチはモノは買わないからだ。一級品の家具は(代々より受け継いできた本物を)もうすでに持っている・・・というのがその理由の大半だ。学生以下は言わずもがなである。
これらをさらに発展させて解きほぐして行き整理し直して行くと、家具に対する日本のマーケットのいろんな部分が分かる。
カッシーナとアルフレックスの棲み分け関係。
目黒通りの盛衰の理由。
団塊の世代と団塊ジュニアの意識格差。
日本のインテリア紙が苦戦する理由。
英米家具の定着展望。
Maid in Japanのかくあるべき姿。
サブカル家具の行く末。
などなどがより鮮明に見えて来るのである。
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